2015年08月02日

安倍首相は、チキンホークだった。アメリカの外交判断を狂わせたのは志願兵制だった。憲法改正するならば、徴兵制も復活するべきである。



ニュースをみてると安倍首相が安保をどうするとか、憲法を改正するとか。


以前に、「アメリカ軍の悲劇について」、という記事の中で、私は徴兵制反対はチキンホークの証明だ、と書いた。チキンホークとは、戦争に行かなくて良い安全な立場にいながら、戦争しろー戦争しろー、戦争だぁーと強硬な主張をする、とても頭の悪い保守派のことである。直訳すれば


臆病なタカ派(笑)


のこと。


安倍首相によれば

「徴兵制は絶対に無い」

のだそうだ。大丈夫か。この人。


兵員が足りない場合には、徴兵制は施行せざるを得ない政策だ。今後、日本の領土防衛のために、兵員が足りなくなる事態は絶対に無い、と、この人は、言いたいのか。

平和ボケとはこういう発想のことだろう。外国軍隊が本格的に攻めて来る(あるいは攻めて来る可能性がある)事態になれば、兵員確保は、是が非でもやらなければならない課題だ。徴兵制による兵員確保は、必要ならば防衛上の措置としてどこの国でも普通にやる政策である。

(無いとは思うけど、傭兵による兵員確保があり得ると考えている方へ。歴史上、傭兵は国家防衛の役にたたないことが証明されている。それどころか有害である。詳しくはイタリアの歴史の書籍を参考にしてください。)


欧州各国で、徴兵制が停止されたのは、冷戦が終わってソ連軍が攻めて来る可能性が無くなったからだ。1990年の時点では、欧州27カ国のうち、なんと23カ国が徴兵制である。その後、20年で、16カ国で徴兵制が停止された。(CSS Analysis in Security Policy No. 75 •June 2010

ソ連が崩壊してなければ、おそらくまだ欧州の殆どの国が徴兵制のままだ。現実の脅威が無くなったから、徴兵制をしなくても良くなっただけだ。

隣国にも韓国があるではないか。韓国が今でも徴兵制なのは、北朝鮮軍に対する領土防衛上、それが必要だからだ。

つまり、安倍首相は、実質的には、


外国軍隊が日本に攻めて来る事は絶対に無い!


と言い切っているのだ。馬鹿じゃないの。ほんと。ここまで知性が疑われる首相は生まれて初めて見たよ。外国が攻めて来る可能性は無いと言っているんだったら、なんのために憲法を変えて戦争ができるようにしたいのか、意味が分からないんだけど。池上彰先生、解説をお願いします!意味が分かりません!


勿論、志願兵制でも国防ができる国もあるんだろうけど、そうした国でもいざという時は、徴兵制に移行できるようにしている。アメリカがそう。現時点では必要がないから、やってないだけ。アメリカでも、必要があれば、徴兵制復活は選択肢としてあり得る。


憲法改正を進めたいけど、徴兵制は大反対


の、頭の悪いチキンホーク保守(笑)の方々に言いたい。志願兵制のもとで、アメリカの対外政策判断が狂って来ていることは把握しているだろうか。


加筆した前回記事のまとめ。

超格差社会のアメリカ。現在は志願兵制。

兵役に志願するのは、恵まれない低所得者層だ。

具体的な例。スラム街に生まれた黒人少年が、貧困から抜け出す方法は三つしか無い。@ギャングになるAスポーツでスター選手になるB軍隊に入る。現実的かつ健全な方法として、軍隊に入る以外に選択肢が無いのと一緒である。

さて、戦争に行って死ぬのは、こういった低所得者層の若者である。志願した。イラクに行き、死んだ。しかし、ごくごく一部の限られた階層の負担や痛みは、政治的に問題になりにくい

。大多数の国民は、戦争の負担や痛みの実感が、全く無い。だから、中東での戦争の失敗、迷走にも関わらず、政治家はその事で支持を落としたりはしない。


その結果として、本当にアメリカの中東での戦争は、これで良かったのか、見直ししなくていいのか、という反省もなく、ひたすら迷走している。戦争に行かなくていい大多数の国民はチキンホーク化し、戦争しろ、イスラム国をやっつけろ、と主張する。一方で、貧困に苦しむ若者が、迷走する政府の指導のもとで、有効な作戦や見通しのない戦争に行って死んでいる。


ベトナム戦争の時には、徴兵制があった(参考としては「フルメタルジャケット」という素晴らしい映画がある)。比較的、幅広い階層出身者が戦争に行った結果として、戦争の負担、痛みが国民の間で共有された。遺族は、政治に説明責任を求めた。「この戦争は意味があるの?なんのためにやっているの?」と。ベトナム戦争の迷走は大きな政治的問題となった。戦術面、戦略面で見直され、最終的にはベトナム戦争は終わった。

今の中東情勢はどうだろう。アメリカ軍の失敗は見直されず、有効な戦術も戦略も打ち出せず、戦争が終わる見通しもない。


さて、何が問題の原因なのか。国民のチキンホーク化と志願兵制である。


個人的な意見では、これは憲法改正後、あるいは安保改正後の日本の未来でもある。集団的自衛権の行使とやらで、わが国の自衛隊が行く先の国はどう考えても中東である。10年20年、意味があるのか無いのか分からない戦争を中東で続けて、日本の若者が死ぬ。

チキンホーク保守派の皆さんは、そうなったらどう言うのかね。努力しない低所得者はクズだが、戦争に行って死ねば英霊だ、とか言うんだろうかね。


ハーバード大学教授のマイケル・サンデル先生のご著書「これから『正義』の話をしよう」(早川書房)から引用。


朝鮮戦争における活躍で受勲したハーレム出身者の民主党下院議員、チャールズ・ランゲルは、こうした状況を不公正だと考え、徴兵制の復活を求めている。「アメリカ人が戦争に送り込まれている以上、全員が危険を分かち合うべきだ。経済的な事情から、高額の入隊一時金や教育を受ける機会を目当てに入隊する人だけが、危険にさらされるのはおかしい」と彼は書いている。ニューヨーク市では、「兵役という重荷の格差はきわめて大きい。2004年、ニューヨーク市の志願兵の70パーセントが黒人かヒスパニックで、低所得者層が多い地域の出身だった」とも指摘している。

ランゲルはイラク戦争に反対だった。政治家の子供が、イラクで戦うという重荷を分かち合わざるをえなければ、そもそもイラク戦争は始まらなかったと信じている。


私はこの意見に賛成する。憲法改正するならば、徴兵制も復活させるべきだ。

過去のアメリカの徴兵制について書いた論文(Timothy J. Perri : The Independent Review Winter 2013 p429-439)によると、機会費用という観点から、第二次世界大戦を除けば、必ずしも徴兵は平等には行われず、兵役負担が低所得者、単純労働者に偏る傾向はあったようではある。だが、戦争の負担や痛みが社会で共有されないレベルまで、特定の階層に兵役負担が集中する事は無かったのだ。志願兵制の弊害が、現在のアメリカの迷走の原因なのだ。


徴兵制を導入すれば、国民のレベルで戦争の負担や痛みが共有され、それが政治に反映される。結果として、反省、見直しの機会が得られ、賢明な判断が得られる可能性があるということだ。

戦争できる国にしたいなら、徴兵制も復活させるべきだ。


最後に。あくまで私は憲法改正には反対である。特に現内閣のもとでは、断固反対である。国民の未来を決める重要な決定を、致命的なレベルの馬鹿にやらせる程、わが国には余裕が無いはずだ。

あと、いざ徴兵制になれば、お前は兵役に行くのか、と言われれば行きますよ。そりゃ。

posted by ペンギン太郎 at 00:11| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。