2015年02月26日

曽野綾子先生のアパルトヘイトの記事での追記。




朝日新聞デジタルからの引用。


私はブログやツイッターなどと関係のない世界で生きて来て、今回、まちがった情報に基づいて興奮している人々を知りました。


私が安倍総理のアドヴァイザーであったことなど一度もありません。そのような記事を配信した新聞は、日本のであろうと、外国のであろうと、その根拠を示す責任があります。もし示せない時には記事の訂正をされるのがマスコミの良心というものでしょう。


私は、アパルトヘイトを称揚したことなどありませんが、「チャイナ・タウン」や「リトル・東京」の存在はいいものでしょう。


首相官邸のホームページにいけば、曽野綾子先生が委員をつとめている委員会の議事録があるんですけど・・。


ここから独り言。

移民政策について、ある程度調べてみた。

まずアメリカである。言うまでもなく、移民国家である。移民局という役所もあり、無料のパンフレットをインターネットで公開している。

実態はともかくとしても、移民のハードルはそれなりに高いように感じる。


@まず、アメリカで働こうというとする場合には、勤め先があることを証明しなければならない(入国してから仕事を探します、じゃダメなんです)。一方、雇い主は、外国人を雇う場合には、その外国人が、自国の人材ではできない種類の仕事をする、ということ証明する必要がある。

そして、被雇用者は、クビになったり転職したら書類を提出しなければならず、許可がおりなければそこでおしまい。アメリカには居られない。


A他、需要が供給に追いついていない農業分野で労働者となることも可能。逆に言えば、需給関係が問題ない分野には外国人労働者は締め出されている。つまりは、ごくごく一部の成り手がいない職業以外は、原則、外国人は全部シャットアウトである。


B他、芸術や文化、突出した才能の持ち主や、資金を持ってきて事業を起こすことができる人間も、アメリカで働くことができる。


これらが正規のルートだ。

そして、これらの正規ルートで入らずに、アメリカで働いてお金を得たことが分かったら、場合によってはビザが停止され強制送還、二度とアメリカには入国できなくなる。


これが少し前に調べた原則である。今では変わったところもあるかもしれないが、おそらくは大きな変更はないだろうとは推測。


勿論、非正規ルートもある。これらが不法移民なわけである。彼らの実態をインターネットのソースで把握することはいろいろ試してはみたもののうまく行かなかった。


つまりは、アメリカは、表立っては低所得労働者移民を集めていない。というよりこのへんが合理主義というかなんというか、確実に絶対に自国の経済にプラスになるケース以外は、正規ルートでの移民労働力を締めだしているように見える。


例えば、農業労働者として入国した場合、逃亡して別の仕事につこうとしたらどうなるか。これも原則では、つかまえてビザ停止の強制送還である。アメリカはルールを破る人間には容赦しないのだ。


ただし、原則、では、という注意書きがつく。低コスト労働につく不法労働者を全員つかまえる、みたいなこともしないからだ。これはおそらく黙認なのかもしれないが、事情は調べてもよくわからない。本当はいけないはずなのに、彼ら不法移民は、アメリカで働いてアメリカで暮らしているのだ。勿論、彼らはアメリカ国民ではないから、社会保障は受けられない。アメリカは国庫に傷をつかずに、低コスト労働力が確保できる。せっこいわー。ほんとに。ずるいわー。ほんと。

その一方で、巨額の富を生む才能や人材を世界中から狩り集めてしまう。


勿論、これは私の調べた範囲の話だ。しかし、一点だけ強調したいのは、アメリカ連邦政府は低コスト労働力の確保のために移民を入れよう、とか、移民をいれて自国民と労働市場の中で競争させよう、なーんてことは一言たりとも言ってもいないし、今後も絶対に言わないはずである。中国に、諸君らの仕事が奪われている、とか政治家の演説の中にある国で、そんなん言えるかい。大変なことになるわ。

しかし、これは低コスト移民という労働力を抱えていないことを意味しないのだ。しっかり抱えているのだ。それも、社会保障を与えずに、だ。


理念は理念。でも、実態は実態。

理想は理想。でも、現実は現実。


これがアメリカらしい。そして外国人(いや、当のアメリカ人ですら)には実態や現実を把握するのは困難なのだ。だから、アメリカはelusive な国であり続ける。率直に言うと参考にしようがない。

崇高で熱烈な理想主義と、狡猾で汚れた現実主義がコインの裏表になっており、どちらを見るかでアメリカの印象はガラリと変わってしまう。しかし、同時に、隙がない。


で、曽野綾子先生の話に戻ろう。

保守思想とは、選民思想なんだろうか。そんなことを思った。曽野綾子先生の文章を読み返したが、個人的な印象では、日本人は偉い、日本に働きに来る外国人は偉くない、とかそんな無意識の感覚を感じるのだ。例えば・・・。


しかし同時に、移民としての法的身分は、厳重に守るように制度を作らねばならない。

条件を納得の上で、日本に出稼ぎに来た人たちに、その契約を守らせることは、何ら非人道的なことではないのである。


あのさー。契約ってのは近代社会においては対等な者同士がするもんだよ。守らせるとか守らせないとかって何言ってんだか。一方が不当だと思って、正答な手続きをすれば破棄できるのが契約でしょ。で、非人道的?なにが非人道的なの?


しかし、優しければそれでいいのだ。

「おばあちゃん、これ食べるか?」

という程度の日本語なら、語学の訓練など全く受けていない外国人の娘さんでも、2、3日で覚えられる。


この外国人の娘さんというのを日本人の娘さんに置き換えてみよう。アメリカ人がこう言ったとする。

「わが国に介護に来る日本人は優しければそれでいい。”Do you eat it ?”くらいの英語なら、日本人の娘でも数日で覚えられる。」


私がこんなことを聞いたら、あまりの屈辱感に魂が震える。そのアメリカ人を殴ってやろうかと思うぜ。曽野綾子先生のこの発言に問題がないと言う輩は、こう言われても怒らない自信があるんだろうな。


黒人は、基本的に大家族主義だ。

だから彼らは、買ったマンションに、どんどん一族を呼び寄せた。

白人やアジア人なら、常識として、夫婦と子供2人ぐらいが住むはずの1区画に、20〜30人が住みだしたのである。


「常識として」ってあるけど、黒人は非常識だって言いたいのだろうか。そもそも、この逸話、事実関係ははっきりしてるんだろうか。私は、この黒人が中国人に置き換わって、国がフランスかイタリアになっている逸話を聞いたことがある。なんか、ロシアの小話みたいな感じで、ほんとに実話なの?みたいな。


まあ、どう読んでも、差別的なニュアンスを感じざるを得ない文章なんだけど、これを載せた産経新聞社は差別はいけません、反対だー!とか言ってるわけだ。何言ってんすか、あんた。


これが、日本における保守思想なんだろうか。無自覚の選民意識に無自覚な差別意識。


狡猾なアメリカ人のように、理念と実態、理想と現実のバランスを保ちながら、相手に隙を見せない発言ができるほど賢くはなれないわけだ。そして、無自覚であるが故に、相手の反論がどこを突いているのかも分からない。曽野先生、なんで反論が来るのか分からないと言っているが、分かるわけがない。悪い意味で驚くほど純粋で、狡猾さという意味での知性が全く足りていない(口が悪い連中は、ストレートに馬鹿だと言うだろう)。


で、個人的な強い希望。

日本の保守主義のみなさんは、海外に出ないで国内限定で活動して下さい。理由は、国益にそぐわないから。


私は愛国者だからはっきり言う。

落ち目の日本という国において、国際社会における日本のreputation を損なわないというのは大事な大事な、ものすごく大事な戦略なのだ。

「戦争広告代理店」という素晴らしい本があるので、疑問に思う人は読んでみよう。非常にショッキングな本ではあるが、これを読んだ後だと立場のある人間が、差別的な発言をすることがどれだけ危険な行為か分かるはずだ。


差別とか、人権という言葉を聞けば、日本国内では甘ったるい妄想家のだらしない言説に過ぎないと感じるかもしれないけど、国際社会では違う。相手を攻撃し、自国に大きなダメージを与えかねないとてつもなく凶悪な武器になってしまう。


残念ながら、日本における保守主義のみなさんは、この凶悪な武器を他国にせっせと与える困った人たちなのだ。彼らが、海外向けにメッセージを発するということは(あるいは意図しなくても翻訳されて海外メディアに載ることは)、ストレートに国益を損なうことなのだ。


せめて、保守主義のみなさんは、自分の書いた文章には、こう書いてもらいたい。曽野綾子先生も次からはお願いします。


Danger : Do Not Translate.(危険:翻訳禁止)






posted by ペンギン太郎 at 21:34| Comment(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月24日

幼児期にピーナッツを食べないと、ピーナッツアレルギーになるリスクが上がる。



という話。


New York Times


Feeding Infants Peanut Products Could Prevent Allergies, Study Suggests.


という記事にあった話だ。大手メディアのアンテナ力にはかなわない。これは本当にすごい話。


さかのぼること7年前の2008年に


Early consumption of peanuts in infancy is associated with a low prevalence of

peanut allergy. (J Allergy Clin Immunol. 2008 Nov;122(5):984-91.)


という論文が出た。

ピーナッツアレルギーの危険があるため、幼児期にピーナッツを食べてはいけない!と、英国、オーストラリア、北米のクリニカルガイドラインで推奨されてるけど、それは本当に正しいの?という疑問を述べている。


英国とイスラエルで、ユダヤ系の小児のピーナッツ消費量とピーナッツアレルギーの関係をみた。

イスラエルの8ヶ月から14か月の幼児はピーナッツ蛋白を7.1g を摂取している。

それに対して、英国ではピーナッツ消費量は0gだ。

イスラエルの児童のピーナッツアレルギーの割合は0.17% だ。

それに対して、 英国では、ピーナッツアレルギーの割合は1.85%だった。


つまり、10倍の差がある。つまり、

幼児期にピーナッツを食べないことが、アレルギーの原因なんではないの?

という仮説が成り立つ。これは、観察研究だから結論はでない。だから、介入研究で決着をつけてやろうじゃないか。というわけで、上の論文と同じ著者がやった介入研究、


Randomized Trial of Peanut Consumption in Infants at Risk for Peanut Allergy.


が、New England Journal of Medicine 2015223日号に載った。


研究の概要。


@重度の湿疹か卵アレルギーのどちらかあるいは両方のある4ヶ月から11か月の幼児のうち、明らかなピーナッツアレルギーの無い幼児を選んだ。

Aプリックテスト(皮膚にアレルギー反応が出るかどうかを見る試験)で陰性だった542人と陽性だった98人に分けた。

Bピーナッツを食べさせた層と、食べさせない層に分けて5年間追跡した。


Bamba っていうイスラエルのお菓子があるんだけど、これを食べさせたんだそうだ。これが嫌いな子にはピーナツバターを食べさせたという。Bamba で画像検索してみたが、個人的な感想を言えば、おいしくなさそうだな。


追跡5年後ITT 解析の結果は以下。


[プリックテスト陰性群のピーナッツアレルギーの割合]

ピーナッツを食べさせなかった幼児:13.7%

ピーナッツを食べさせた幼児: 1.9%

(P < 0.001) 


[プリックテスト陽性群のピーナッツアレルギーの割合]

ピーナッツを食べさせなかった幼児:35.3%

ピーナッツを食べさせた幼児: 10.6%

(P = 0.004)


だという。これはすごいな。決定打だと言ってもいいのかもしれない。幼児期にピーナッツを食べないと、ピーナッツアレルギーになるリスクが上がるのだ。


No deaths occurred in the study. There were no significant differences in rates of hospitalization

or serious adverse events between the avoidance group and the consumption group.


というから安全面でも、既にピーナッツアレルギーがある場合を除けば、ピーナッツを幼児に与えるのは、問題なさそう。誤嚥とかの可能性を考えれば、幼児用のお菓子とかバターの形になるのかもしれないけど。


他、IgG4 IgE などの抗体反応等の測定結果とか考察があったが、興味ない人が多いと思うので、省略。


個人的な感想。

ガイドラインが書き変えられるほどのインパクトのある論文というのは、読んでいてわくわくするものだ。興味があるのは、これが、他のアレルギーの誘因となる食品、例えば、卵とか牛乳とかでも当てはまるのかどうか、ということ。幼児期に摂取を避けることで、実はアレルギーの原因になっていた、みたいな。


イントロで


In a single study in humans, researchers attempted to induce primary oral tolerance to egg in infants at high risk for allergy, but the study lacked the power to show efficacy.


とあったから、卵に関してはそういった研究もある模様。調べるのも一興なので、今度調べてみよう。


posted by ペンギン太郎 at 19:03| Comment(0) | 予防医学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月17日

曽野綾子先生のアパルトヘイト擁護発言についてのニュース。アパルトヘイトの起源について。自国の問題は、自国人の力で解決しよう!というのが愛国者なんじゃないの?自国の問題を外国人の手を借りて解決することを提案している人々が、なぜ愛国者なのか自分には分からない。



という話。


曽野綾子先生のアパルトヘイト擁護発言が、海外メディアに載ったとか。ワシントンポスト、ウォールストリートジャーナル、ニューヨークタイムズ、ロイターに出ている。が、扱いは非常に小さい。しかも、どれもこれもほぼ同内容のコピペもどきである。


まあ、日本のニュースなんて、どれもこれも、ちっこい枠でしか載らない。

これが、英語圏における日本のプレゼンスだからしょうがないよ!!


英語圏のメディアでは、猟奇事件とか大災害とか、珍事件でも起こらないかぎり、日本のニュースなんぞ大きな枠に載らないのである。しかし、これが不名誉なことかと言えば、そうでもない。大きな枠で載ってる国は少し前ならエジプト、ウクライナ、今はイスラム国(国じゃないけど)なわけだから。つまり、内乱やら戦争やらで荒廃した国が多く取り上げられるわけで、日本は平和だから扱いも少ないという解釈もできる。


さて本題。

今回の一件、何が地雷だったのか、自分なりに説明しよう。


The Apartheid Museum というサイトにある resources というコーナーの記事。

アパルトヘイトという人種隔離政策がいかにして始まったのか、という説明がある。19世紀後半、南アメリカで金が発見されて以来、金とかダイヤモンドとかの鉱物資源をいかに低コストで採掘するか、ということが問題になった。で、黒人移民を採掘作業に従事させる際に、低コストで働かせ続けるためにとられた諸政策が、後のアパルトヘイトという人種隔離政策の起源となった、という。


つまり、移民推進者の本音と動機の部分で、完全に一致するのですよ。移民を低コストで働かせ続けるという動機(曽野綾子先生、コラムでは労働力の補充と言っている)、それに加えて、移民を特定に地域に住まわせろという主張。これが意味するものは、(しかも政権に近い人間が発言したということは)つまり、過去にあった人種隔離政策と全く同じようなことをやろうという提案にしか・・。


・・・という風にとられてもしょうがないというわけ。これ以上書くのはやめよう。もう十分だ。

アパルトヘイトについてある程度は調べていれば、書いてる途中で、これは地雷だと気付くでしょうに。普通に考えれば。


産経新聞の言い分。


「当該記事は曽野綾子氏の常設コラムで、曽野氏ご本人の意見として掲載しました。コラムについてさまざまなご意見があるのは当然のことと考えております。産経新聞は、一貫してアパルトヘイトはもとより、人種差別などあらゆる差別は許されるものではないとの考えです」


だそうだ。既に消火モードですね。


「俺たちは関係ねえー!関係ねえからなぁー!ひぇー!」


とかいう小物感を漂わせてますね。妙に優等生ぶってるあたりが特に。まるで漫画のようで笑ってしまうぜ。


前に「アメリカは世界の医師を盗んでいる」という記事で、移民政策について書いた。同じことを書くが、日本の社会保障の問題や経済問題、人口減少の問題なんぞ、他国人にはなんの関係もない話である。そして、移民を入れるというのは、他国から労働力と人材を奪いとる行為である。

各国の移民政策というのは、このマイナス面を相殺する理念がある。自由、保護、挑戦、成功、そして普遍的な価値の共有と共同体の創設。


日本の移民推進論者には、理念がない。理想もない。普遍的な価値観がなんだかも考えたこともないだろう。だから、こういう汚い動機を隠さないような主張をしては、顰蹙を買う訳だ。


究極的に言えば、移民政策は、自国の問題を、自国人の力では解決できないから、外国人の手を借りて解決するということだ。

そんなプライドの無いことを提案している人物が、世間では愛国者や保守派とされていること自体、私にとっては大きな驚きだ。どこをどうやったら愛国者、保守派になるのか、本当にわからないのだ。


あと、必要ないかもしらんが、これも言っておく。

グローバリズムというのは、現在の発展途上国にとって非常に有利なルールだ(言うまでもなく、先進国にとってはとても不利なルールだ)。発展途上国の貧困のイメージは一昔前の話。自国にいても若者は頑張れば豊かになれる国が増えている。もっと豊かになるかそれ以上の野心を叶えることを望む若者達は、アメリカか英米圏に行くだろう。

つまり、日本に移民は来ない。来るメリットが無い。

もう時代は変わったんだってばよ!!


曽野綾子先生のコラムを読み直したが、まるで遠ーーい過去に金持ちだった商店の店主が、落ち目でボロボロになったというのに、「うちには遠くから使用人が、わんさか来るぞー、エヘヘエヘヘ」とニタニタしている様子を見る様だ。来ないよ。残念ながら。馬鹿じゃないの。


遠い過去の大国意識なんぞ捨てて、地道に問題解決に取り組むことがこれからは大事なのであって・・・。






posted by ペンギン太郎 at 19:56| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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