2014年11月24日

成果主義について。目標が高すぎるとリスクの評価ができなくなる。偉い人は、簡単にクリアできる目標を設定して、その成果として莫大な報酬を受け取る。



という話。


ガーディアン紙の記事を読んでいたところ、


Goals Gone Wild: The Systematic Side Effects of Over-Prescribing Goal Setting.


というハーバードビジネススクールのworking papers のリンクに飛んだので読んでみた。

目標設定(Goal setting)が、いかに有害な結果をもたらすのか、というのが論文の主旨。


以下概要。


目標設定が有害になるケース。


(1)目標そのものが間違っていた。

利益より歳入を重視したエンロンは破綻した。


(2)目標をクリアするまで期間が適切でない。

短期目標に達成するために、長期計画が犠牲になる。会計報告書を頻繁に出す会社ほど、研究開発の投資が少ない。


(3)目標が天井効果を産む。

1ヶ月の目標を早めに達成した営業職員は、月の残りの日数をゴルフをして遊ぶかもしれない。


(4)目標が高すぎると、高いリスクの選択肢を選ぶ → 結果、破滅。

コンチネンタル・イリノイ銀行は、銀行貸付でトップになろうとした。無理な目標設定のために、高リスクの貸付をやりまくった結果、債権が焦げ付いて破綻寸前。政府が救済するはめに。


(5)目標達成のために、不道徳な行動をする。

Sears は自動車修理ユニットに1時間147ドルという目標を課した。しかし、修理ユニットは、目標達成のために必要のない修理をして、顧客からその分の額を詐取した。


(6)目標が学習や協力を妨げる。

目標に集中することで、他のことが学べなくなる。目標設定による過度な競争の結果、社員が協力するのが難しくなる。


(7)目標設定が、利己的な利益誘導になることがある。

利己的なCEOが、簡単にクリアできる目標を設定して、その成果として巨額な報酬を受け取る。


読んでみたが、これは成果主義の話だろうと。つまり、成果主義の裏返しなのが、目標設定(Goal Setting)なんだろう。ハーバードビジネススクールの論文だとしたらば、アメリカでも成果主義の欠陥は認知されてきているということか。特に、


(7)目標設定が、利己的な利益誘導になることがある。


は、日本でも見られる現象になってきつつあるのが悲しいところだぜ。会社のトップが、特別な努力をしなくても良い方向に行く、と予想できる事を目標にする。そして(予想通りに)目標は達成された、と自分の手柄にして、それを成果に巨額の報酬を受け取る。

成果主義の文脈の中では、決して悪いことではない。これが成果主義だと言われれば、全くその通りとしか・・・。

(偉い人の主張する成果なんぞ、庶民は、割引いて聞いた方が良いということだろうか。)


後は、(5) 目標が高すぎると、高いリスクの選択肢を選ぶ → 結果、破滅。

というのは、個人的にも思い当たる節もある。冷汗をかいた経験が・・・。

特にあともう一歩のところでゴールだ、という状況だと完全にリスク計算が狂ってしまう。が、これは、リスク回避して「あの時、やっておけば良かった」と後悔するほうがましか、リスク回避せずに破滅して「あの時、やらなければ良かった」と後悔するほうがましかという選択肢なので、個人個人によって見解が違うと思う。

コンチネンタル・イリノイ銀行の中の人が、リスクを取らずに平穏に銀行業をやっていたとしたらば、「あのときアグレッシブに攻めていれば、業界トップになったかもしれないよ」と後になってグダグダ言ってた可能性がある。


というより、「あのとき、○○してれば今頃は・・・」という後悔は、実は、その時に(無意識かもしれないが)賢明なリスク回避の判断をして、破滅から逃れたことを理解してないケースなのかもしれない。


posted by ペンギン太郎 at 16:57| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月21日

首相官邸の出しているアベノミクスの解説パンフレットの中で、ミニスカ&ブーツのおばあちゃんが踊り、ちょんまげカツラの下で金髪の外人がラーメンを食べていた。



という話。


国内海外のメディアにもアベノミクス失敗とか、日本景気後退とかの文字が並ぶようになってきた。衆議院の解散総選挙らしいが、何がおこっているのか私にはまるで分からない。

(というより、分かっている人っているのだろうか)

分からない事について語るのは、無責任なことである。だからこの記事は、アベノミクスの正否について議論しているのではないことを最初に断っておく。


問題は別。首相官邸のサイトに置いてある


「やわらか成長戦略〜アベノミクスをもっと身近に〜」


というパンフレットが問題なのだ。アベノミクスとはどういった物であるかを知る為に、一読した。


はっきり言う。これはなにかの悪い冗談だ。これを、首相官邸の担当者が、本気で国民への説明のためにつくった文書だとしたらば、いくら楽観的な私でも、日本はやばいと思うんですけど。


なにしろ、アベノミクスの3本の矢の説明のところでスーパーマンが変身しているのだ。

それだけではない。ミニスカにブーツをはいたおばあちゃんが踊っているわ、ちょんまげカツラの絵の下で、金髪の外人がラーメンを食べているわ、とにかくイラストがふざけた冗談にしか思えないのだ。この文書が発行されたのが1119日だから、すでに景気後退の懸念が報道された後だということになるのだがこれは・・・。


特に不満なのが、


第一の矢:大胆な金融政策

第二の矢:機動的な財政政策

第三の矢:民間投資を喚起する成長戦略


とあるが、このうちの第一と第二の矢の説明が全くない。書いてあるのは、殆んど三番目のB成長戦略だけ。つまり、これから行う、あるいは現在継続中の成長戦略だけが重点的に書かれていて、@大胆な金融政策とA機動的な財政政策が、本当にうまく行ったのかどうかは全く書いていないのだ。


要するに、これまでの政策の結果を知りたいのに、この先の計画(あるいは実行済みでも効果が分かるのは先の話になるであろう事柄)ばかり書かれている。このパンフレットを読んで、現在までのアベノミクスの正否を判断することは、不可能に近い。

(もしもアベノミクスが本当に失敗しているという前提の話だが、)これでは未来の夢や計画ばかり語って、過去と現状は一切語らない、現実逃避している痛い人と変わらないではないか、と思う。

posted by ペンギン太郎 at 19:38| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月20日

pick-up artist のJulien Blanc 氏のその後について。謝罪。「あれはギャグでした」



という話。


以下、BBCThe Independent とその他のメディアの記事の大まかな内容。


以前に取り上げた記事のその後なんですけど、ナンパアーティストのJulien Blanc 氏は、オーストラリアに続き、ブラジルとイギリスで入国拒否になった模様。

Julien Blanc氏は、高額なセミナー料をとって、世界中の男性に正しいナンパのやり方を指導していた人だったのだが、女性への暴力と思われる画像や、人種差別的な言動を示すビデオがインターネットで出回り、彼の国外退去や入国拒否を求める反対運動が勃発。この流れになったというのがこれまでの顛末。現在、日本とカナダで入国拒否を求める運動が展開中。


あと、CNNのインタビューで謝罪した模様。問題の画像(女性の首をしめる画像)は、ギャグだった(horrible attempt at humor)とのこと。


horrible attempt at humor ってどういう意味か、正確には分からなかったが、「ギャグだった」ってことで良いのだろうと思う。しかし、なにか責められるようなことをした後に「あれはギャグだった」って言うのは、もしかしたら世界共通なのか・・・。もちろん、これが本当にギャグのつもりなら、全然、面白くないが。



概ね、向こうのメディアは全力の袋叩きである。ヘッドラインに「世界一の嫌われ男(the most hated man in the world)」とかあるし、記事によっては、キモい(creepy)とかの言いたい放題。

ほとんど、自業自得としか言いようがない状況だが、さすがにやりすぎだ、と自分は思う。


少なくとも、現実に女性に暴力をふるって大怪我をさせたり殺してしまったりする最低のならず者だって世界中にいるわけだから、そいつらと比べたらJulien Blanc氏は、はるかにましな男だろう(彼に世界一の座を与えるのは気前が良すぎる)。


比較の対象が、そういう犯罪者しかいないのが悲しいところだが、大きな犯罪を犯したわけでもない、ただの奇人への反応としてはヒートアップしすぎな気が自分はする。


日本への入国拒否には賛成するけど。


posted by ペンギン太郎 at 21:40| Comment(0) | 英語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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