2014年09月30日

人工甘味料はうつ病のリスクを高める/コーヒーはうつ病のリスクを低める


Sweetened Beverages, Coffee, and Tea and Depression Risk among Older US Adults

(Plos One)という論文を読んだ。


大まかな内容。

58歳から79歳のアメリカに住んでいる高齢者のうち、ソフトドリンク、フルーツドリンク、茶、コーヒーをどれだけ飲んだのかアンケートで調査して、うつ病になるリスクを計算した。


1日に4()以上飲む人の、うつ病発症のリスク

種類

うつ病の相対危険度

ソフドドリンク

1.30 (1.17 - 1.44)

フルーツドリンク

1.38 (1.15 - 1.65)

ホットティー

1.14 (0.98 - 1.31)

アイスティー

1.03 (0.95 - 1.12)

コーヒー

0.91 (0.84 - 0.98)


甘い飲み物(清涼飲料水)をたくさん飲むとうつ病になる可能性が30-40% くらい高くなり、コーヒーをたくさん飲むとうつ病になる可能性が10% くらい減る。

論文の中にあったフルーツドリンクに分類される飲料で、Kool-Aid というのがあったのでgoogle で検索してみたが、なんとまあ・・・禍々しいというか。個人的な意見だけど、これは飲む気がしない。


問題はここから。

1日に4()以上飲む人の、うつ病発症のリスク

 

レギュラー飲料群

のうつ病相対危険度

ダイエット飲料群

のうつ病の相対危険度

ソフトドリンク

1.22 (1.03 - 1.45)

1.31 (1.16 - 1.47)

フルーツドリンク

1.08 (0.79 - 1.46)

1.51 (1.18 - 1.92)

アイスティー

0.94 (0.83 - 1.08)

1.25 (1.10 - 1.41)


赤に注目。単純に甘い飲み物を飲んだらうつ病になるリスクが上がる、というわけではなさそうだ、ということらしい。フルーツドリンクとアイスティーに関しては、ダイエット飲料を飲んだ群だけ、統計学的有意差をもってリスクがあがっている。フルーツドリンクに関しては、50% もリスクが上がっている。


そして、コーヒーに何を入れて飲むか?という項目で質問して、うつ病へのリスクを計算した場合でも、人工甘味料がリスクになっているという結果がでた。


コーヒーに何をいれる?

うつ病相対危険度

何も入れない

0.86 (0.77 - 0.95)

砂糖かはちみつ

0.93 (0.83 - 1.04)

アスパルテーム

1.24 (1.11 - 1.39)

サッカリン

1.14 (1.02 - 1.27)

他の甘味料

1.23 (1.01 - 1.49)


何もいれないか、もしくは砂糖で飲めばうつ病のリスクは1割くらい下がるのだが、人工甘味料を入れて飲むと、2割程度、うつ病のリスクがあがるらしい。アスパルテームとかサッカリンとかって、売ってるのかいな、と思って検索したら、米国では、粉末状のものが売っているらしい。


議論のところで、うつ病になる人は、甘い飲み物を求める傾向にあるためこの結果になった可能性があるとしたうえで、人工甘味料の入っている群でのリスク上昇はこれでは説明がつかないとしている。



posted by ペンギン太郎 at 21:01| Comment(0) | 予防医学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月28日

ピロリ菌除菌で胃癌発症のリスクは抑えられるのかどうか

・・・は、まだよくわかっていないと2010年のニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌のレビュー(Helicobacter pylori Infection 2010;362:1597-604)にはあった。


it remains unclear whether eradication reduces the risk of gastric cancer.


であると。健康なピロリ除菌をすることで胃癌のリスクが減るのかどうか、文献をgoogleで探しても結構でてこない。早期胃癌の患者のうち、ピロリ除菌群の方が非除菌群に比べて胃癌の再発が抑えられるという報告はあった(Lancet. 2008 Aug 2;372(9636):392-7.)


で、ようやく見つけた今年のブリテッシュメディカルジャーナルの文献。

Helicobacter pylori eradication therapy to prevent gastric cancer in healthy asymptomatic infected individuals:systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials(BMJ 2014;348:g3174).


の結果では、除菌群の胃癌発生予防効果はあるという。以下、まとめた表。17歳以上の成人で、健康で何も症状がない成人のうち、ピロリ菌除菌群と非除菌群にわけて、胃癌の発生率を調べたメタアナリシスの結果。


除菌群の胃癌発生率

51 / 3294 (1.6%)

非除菌群の胃癌発生率

76 / 3204 (2.4%)

相対危険度

0.66 (0.46-0.95)


ありがたいことに国別にデータをだしてくれている。

日本人でピロリ感染者生涯胃癌発生リスク

NNT (Number Needed to Treat)

男 19.2%

15.3(9.6 - 104.2)

女 12.8%

23.0(14.5 - 156.3)


ピロリ感染者は、無治療では、1割から2割程度の可能性で胃癌になり、除菌することで胃癌になる可能性を60% くらいに減らせるということらしい。

posted by ペンギン太郎 at 16:18| Comment(0) | 予防医学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月26日

ベンゾジアゼピン系睡眠薬・抗不安薬はアルツハイマー型認知症の発症リスクと関連がある。



ニューヨークタイムズの記事からリンクに飛んだら、ブリティッシュメディカルジャーナルの論文が出てきたので読んでみた。

題名:Benzodiazepine use and risk of Alzheimer’s disease:case-control study


大まかな内容。

【研究】

カナダのケベックに住んでいる67歳以上で、アルツハイマー型認知症が発症する6年前以上まで記録がさかのぼれる住人のうち、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬、睡眠薬を内服している群としていない群とでアルツイハイマー型認知症の発症リスクを比較した。


ベンゾジアゼピン系の抗不安薬・睡眠薬は論文内の表では以下

 

一般名

商品名

抗不安薬(長時間作動型)

Bromazepam

レキソタン、セラニン

 

Chlordiazepoxide

コントール、バランス

 

Clobazam

マイスタン

 

Diazepam

セルシン、ホリゾン

抗不安薬(短時間作動型)

Alprazolam

ソラナックス、コンスタン

 

Lorazepam

ワイパックス

 

oxazepam

(採用なし?)

睡眠薬(長時間作動型)

Flurazepam

ダルメート、ベノジール

 

Nitrazepam

ベンザリン

睡眠薬(短時間作動型)

Midazolam

ドルミカム

 

Temazepam

(採用なし?)

 

Triazolam

ハルシオン

抗けいれん薬

Clonazepam

ランドセン、リボトリール


【結果】

ベンゾジアゼピン系薬の内服期間

調整オッズ比

90日以下

1.09(0.92-1.28)

91日以上180日以下

1.32(1.01-1.74)

181日以上

1.84(1.62 -2.08)


つまり、上の表の薬を半年以上飲み続ければ、飲まない場合と比べてアルツハイマー型認知症になるリスクが2倍弱になる。ただし、3ヶ月以内にやめれば、リスクは増えない。


この論文では、ベンゾジアゼピン系薬がアルツハイマー型認知症の発症の原因となるとは断定できないとしている。つまり、不安や不眠が、アルツハイマー型認知症による神経変性の結果であり、ベンゾジアゼピン系薬の内服が原因ではなく、アルツハイマー型認知症の指標に過ぎない可能性がある、と。しかし、


To date, no preventive or curative treatment has been shown tobe satisfactorily effective in Alzheimer’s disease. For this reason,the search for putative alterable risk factors should be prioritised.

今日まで、アルツハイマー型認知症に対しては、いかなる予防的、治療的手段も示されていないのだから、変更可能な危険因子を探すことが優先されるべきだ。


としている。つまり、アルツハイマー型認知症のリスク増大の可能性がある以上、認知症の社会的コストも考慮して、長期的にこの種類の薬を飲まない方向に動いていこう、ということらしい。


ベンゾジアゼピン系睡眠薬の危険性について。個人的には、これを内服する価値があるとはとても思えない。割に合わないリスクを抱え込むことになるんだぜ。
http://penguintarou.seesaa.net/article/410652926.html

posted by ペンギン太郎 at 20:00| Comment(0) | 予防医学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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